誤錯行試

隙あらば自分語りです

一人暮らし/アイス割引セール

一人暮らしをしている。

ゴミを貯めてはたまーに「やばい、そろそろ片付けなきゃ」となり、3時間かそれ以上ほどかけてゴミを袋に詰め、本や服をそれなりにまとめ、床にある埃を掃く。

ペットボトルはラベルとキャップとボトルをそれぞれ分けなければならないので一番面倒だ。

「汚い家に住むと精神状態が悪化する」とどこかで見た気がするが、もともと精神状態が良くない人は綺麗にしようと意識できない可能性が高いと思う。悪循環だ。

 

 

家の近くのスーパーは毎週末にアイスの割引セールをやっている。ハーゲンダッツも安くなっているから、ついつい何個か買ってしまうのだけど、例えば230円のアイスが3割引されたところで1つにつき161円だ。

実家があるのは地方の郊外だった。道路沿いに並ぶのは洋服の青山、GU、ABCマート松屋。チェーン店が立ち並び、スーパーも徒歩10分圏内に4つほどあった。

ただ私が好きだったのは、家から車で20分ほどかけたところにあるローカルスーパーだった。そこで月初めに行われる「アイス半額セール」が待ち遠しかった。

夕方、姉や私が学校から帰ってきて、親も仕事が終わったタイミングで車を出してもらい、そのスーパーへ向かい、セールの人混みをかき分けながらアイスの売り場へと進む。そしてようやく、陳列エリアへたどり着くことができる。

余談だが、ガリガリ君のようなシャリシャリしたアイスよりも、口どけが滑らかなアイスが好きだった私は、ヨーロピアンやパルムなどを箱ごと買ってもらっていた。しかし時々、端に陳列されているハーゲンダッツに目が向いた。高級感を感じるパッケージと値段、大きく印刷された「この商品は割引対象外です」の文字。憧れのような気持ちを抱きつつ、結局購入した記憶はない。

今はハーゲンダッツを買える。アルバイトの収入で買おうと思えばたくさん買える。アイス自体は近くのコンビニでも取り扱われているし、平民が手を出せないほど高級、というわけではない。しかし、私にとってハーゲンダッツは「割引になって初めて買えるアイス」なのだ。あの頃に感じた憧れのような気持ちから、未だ抜けだせていないのかもしれない。